自分達の暮らす家は、出来る限り心をこめて、大切につくりたいと思っています。というのも、最近、娘のお友達、Aちゃんから電話があり、彼女のご家族と彼女達が暮らしていた家を思い出したからです。
娘の知人のAちゃん(8歳)とご家族は、私達家族からははるかに遠い、ヴァンデ(Vendée~ロワール地域)で暮らしています。引っ越すまでは、我が家と同じパリから60kmの田舎で暮らしていました。
今は幸せそうなご家族も、引っ越す前までは大変辛く、苦しい生活を送られていたと思います。元大工の父親は、仕事中の事故に遭って以来、下半身麻痺状態になり、ずっと失業中。障害があるのにも関わらず障害者としては国に認定されなかった。子供は4人。その家族全員を母親ひとりがスーパーのパート収入で必死に支えていた。父親の失業保険の給付期限が切れ、生活苦に陥っていた中、突然、長男が仕事の作業中、機械に体を吸い込まれ亡くなられ・・・その悲しみの大きさは計り知れなかったと思います。
その悲しみと絶望の中、彼等が住んでいた家が、彼等の人生を変えるきっかけになりました。 10年程前に当時2万ユーロで購入て暮らしていた小さな納屋が、2年前に8倍の値段、16万ユーロで売れたんです。長年の年月を経て少しづつ自分達で心を込めてリフォームしていき、納屋を家として完成させたところ、驚く程に資産価値が上がり、高値で売却出来たんですね。
そして彼等は、親戚の住むヴァンデへ引っ越し、海からそう遠くない大きな田舎の家を8万ユーロで現金一括購入した。失業中だった父親は、今は海の近くで見張りの仕事を見つけ、母親も、スーパーでまた働きだしたそう。家族全員、自然に囲まれながら、経済的にも安定して、今はとても幸せに暮らしている。本当に良かった・・。
人生は分からない。
どんなにどん底にあっても絶対に諦めてはいけないと思う。
心を込めて造ったマイホームは、いつか絶対に人を幸せにしてくれると思ったからです。